アマノフーズの「フリーズドライおみそ汁」は、1983年に初めて発売してから今年で40周年を迎えました。
その記念コンテンツとして4回にわたり、アマノフーズの歴史、
おみそ汁や驚き商品(「フリーズドライの匠」シリーズ)の開発秘話などを特集します。
第3回となる今回のテーマは、発売当時世間をびっくりさせた、「フリーズドライの匠」シリーズのご紹介。
「フリーズドライの匠」は、「Mr.フリーズドライ」ことアマノブランド企画室 技術顧問の島村 雅人が、
お客様が思わず誰かに話したくなる、驚きの商品を届けたいという思いから試行錯誤を重ねて誕生したシリーズです。
2015年発売の「フリーズドライの匠」シリーズ初の商品「チキンカツの玉子とじ」の開発秘話や
フリーズドライ食品の進化の歴史に迫ります。
アマノフーズは日本で初めてブロックタイプのフリーズドライおみそ汁の開発に成功して以降、試行錯誤を重ねながらさまざまな具材のおみそ汁に挑戦してきました。
その後、おみそ汁以外にも、「かつ丼の素」や「チキンカツカレー」、「海老天とじ丼の素」など、お湯を注ぐだけで本格的なメニューが復元する「フリーズドライの匠」シリーズを発売。
※「フリーズドライの匠」シリーズは、現在、アマノフーズ通販専用の商品です。
「フリーズドライの匠」シリーズ初の商品として誕生したのは、「チキンカツの玉子とじ」です。
120mlのお湯を注いで、約30秒待つだけ。ゆっくりほぐしていくと肉厚なチキンカツとふわとろ玉子が復元される驚きのフリーズドライ食品です。
「フリーズドライのとんかつを食べてみたいけど…できないよね」
ある日、商品開発を担当していた島村が社長に言われたこの一言から開発がスタートしました。
そもそも、油分の多いものは復元の際、お湯が浸透しにくいことから、フリーズドライ化するのが難しい食材です。脂が多く分厚い豚肉を使う「とんかつ」をフリーズドライにするのは、非常に困難な問題でした。
しかし、困難なことにこそ挑戦し、どうしたら実現できるかを常に考えている島村。フリーズドライ食品のパイオニアであるアマノフーズだからこそできる商品を作って、お客様に驚きと感動をお届けしたいという思いから新商品の開発を進めました。
いざ試作を始めてみると、開発は一筋縄ではいきませんでした。
肉厚な豚肉は加熱することで収縮してしまう上に、衣や肉に含まれる油分が邪魔をして、お湯をかけても中まで浸透せず復元することが非常に困難でした。そこで、豚肉よりも油分の少ない「鶏のささみ」を使用することに。ささみを成形して衣をつけて揚げ、フリーズドライ化する方法を採用しました。
鶏肉の最適な厚みや肉の切り方まで徹底的に研究。またサクサク食感の衣を実現するために、適切なフライ温度を探したり、衣が鶏肉からはがれないようにしたりと工夫を重ねました。
さらに、おみそ汁の開発で長年培ってきた素材のおいしさを引き出す技術で、「かつお」と「昆布」のだしを使用し、ご飯が進む味わいに。
こうして、つくりたての味・食感の再現にこだわり抜き、約2年の開発期間を経て、2015年10月にふわとろの玉子とだしの味わいがご飯に合う、サクサクやわらか食感の「チキンカツの玉子とじ」を発売しました。
「チキンカツの玉子とじ」の商品化に成功したものの、「豚肉」でとんかつを作ることが諦めきれず、研究を続けていた島村。
ある時、かつてカップ麺の具材として製造していたフリーズドライの焼き豚を思い出し、この技術を応用して「とんかつ」をフリーズドライ化することに再挑戦しました。
また過去の技術の応用以外にも、肉の繊維を断ち切る工夫をするなど、島村のアイデアを活かした独自の「お肉やわらか製法」を編み出し、ついに肉厚でやわらかな「とんかつ」の食感を再現することに成功。
こうして2016年8月に発売した「とんかつの玉子とじ」は、フリーズドライで揚げ物のサクサク感を実現したことが評価され、日本食糧新聞社の平成28年度「第30回新技術・食品開発賞」を受賞。開発を担当した島村は、今までで一番思い入れのある商品だと話します。
発売後、「フリーズドライの常識を変える!」「 衝撃の逸品!」として世間で話題になったこちらの商品。なんと、2023年11月6日(月)から「フリーズドライの匠 かつ丼の素」としてアマノフーズ通販サイトにて数量限定で4,000セットを再発売しています!
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※数量限定のためなくなり次第終了となります。
旧天野実業株式会社創業当初から受け継がれているアマノフーズのチャレンジ精神。「フリーズドライの匠」シリーズが誕生する前から、アマノフーズはおみそ汁だけでなく、さまざまなジャンルの商品を開発してきました。
中でも、2014年に発売したお湯を注いで軽くかき混ぜるだけで完成する「フリーズドライ一人鍋」は、マスコミから多くの注目を集めました。
※現在は販売しておりません。
島村が大阪に出張に行った際に食べた「豚しゃぶ鍋」から着想を得て、具材を選定。柔らかく甘みのある国産豚ロース肉と白菜、ねぎ、水菜、ぶなしめじ、昆布、湯葉の7種類の具材がたっぷり入った一人鍋。円盤状になったフリーズドライの具材にお湯を400ml注いで軽くかき混ぜるだけで、簡単に一人鍋が完成します。
その後、「殻付きかにすき仕立て」や「ごま豆乳仕立て」、「海老天ぷら入りなべ焼きうどん」など、さまざまな種類の鍋シリーズを発売しました。
※現在は販売しておりません。
フリーズドライで揚げ物のサクサク感を再現したことをきっかけに、フリーズドライ食品の可能性が広がりました。これまでに発売され、SNSでも話題になった「フリーズドライの匠」シリーズの商品をいくつかご紹介します。
肉厚の国産鶏をこんがりと揚げた「チキンカツ」がどーんと4枚のったカレー。2017年の新発売の際、わずか1カ月で6,000食が完売し話題となった商品です。
カレーの味わいにもこだわり、たまねぎの甘みと生クリームのコクを溶け込ませて、甘口に仕上げています。スパイスも程よく効いていて、食欲をそそる一品です。
名古屋名物「みそかつ」をフリーズドライで再現。ジューシーで厚みのあるとんかつにコク深いみそだれがかかった一品。
数種類のみそをブレンドしたオリジナルレシピのみそだれに、白ワインを入れることで上品な味わいに仕上がっています。
お肉だけではありません。海老天もフリーズドライ化することに成功しました。
海老をプリプリな食感に仕上げるために特別な処理を施し、彩りで三つ葉もプラス。これまでの研究開発で培った技術を活かして、ふわとろ玉子でとじています。
商品開発一筋40年の中で、アマノフーズが誇るオンリーワン商品を数多く生み出した島村に、商品開発のこだわりと今後の挑戦について語ってもらいました。
今まで培ってきた技術を応用して、これからも皆さまに驚きのフリーズドライ食品をお届けします!
40年積み重ねた技術で生まれるアマノフーズの商品をこれからもお楽しみください。